【感想】なにを模写すればいいのか、頭の中の資料について

感想元のスレ

https://souzoumatome.com/reproduce-ch-5/

感想

私が特に関心をもったレスは「イメージを絵に起こす能力育成は絵の模写ではなかなか厳しいねん(122)」ですね。

たとえばあるポーズをイメージしたとして、資料が全然ない場合です。資料があれば模写をすればいいかもしれませんが、ない場合は自分で考えなければいけません。

ポーズ人形などである程度補えるかもしれませんが、自分のキャラが人間ではなく人獣だったり、体型が特異だったりするとやはり資料が足りません。イメージが個性的になればなるほど、模写の限界が見えてくると思います。

模写はどういった能力を向上させるか?というのがポイントになってくると思います。模写は絵の能力を向上させる一つの手段ですが、それさえすれば絵の全般的な能力が上がるというものではありません。同じような構図、同じような人間を描きたいときに役立つことは確かです。模写で以前描いた絵を、別の場面で「想起」し、「ああこの辺のパーツが大きすぎて不自然だな」と思い起こせることにも役立つと思います。このへんは模写というより、まさに自分の頭の中に資料を作っていくイメージです。「プロも資料を見て描いている」というレスもありましたが、実際の資料と頭の中の資料が両方あるはずです。未知の絵は両方を使って描かれるはずです。

感覚として積み重なった資料が多ければ多いほど、自然な絵が描けるようになるはずです。資料が偏ったり、不自然な絵を感覚として身につけてしまうと、不自然(あるいは個性的)な絵でないと自然に感じないという状況になってしまう可能性があります。個性的であることや不自然であることは必ずしも悪くありませんが、それは他のクリエイターの「個性」であり、自分の「個性」であはりません。

このような危惧を避けるためにも、やはり模写の対象は最初はある程度均整の取れた資料にするべきではないでしょうか。シャルル・バルグのドローイングコースでも、やさしい人物画でも、ポーズ集でもいいです。

ただし、模写には「楽しさ」も同時になくては欠かさせないものです。好きなアニメ、好きな漫画、好きな人物を模写することのほうが楽しいはずです。やはりバランスをとっていくべきでしょう。両方描いていけばいいと思います。均整の取れた、基礎的な人物と、デフォルメされた人物を順番に描いていくなどするのもいいと思います。こういうパーツがこのようにデフォルメされてるのか、という認識ができてきます。このような認識力は自分でデフォルメをしたり、個性的な絵を考えたりするときに役立ったりします。

何を模写するかのあとは、どのような意識で模写をするかです。やはり「妥協しない」というものポイントだと思います。抽象的に言えば「考えて描く」ことになります。なぜここがうまく模写できないのか、と考えるのです。こうしたらうまく線がかけた、と仮説と実証を繰り返します。そうか、左から描いたら右が見やすいぞ!紙を回転させれば自分の描きたい位置にもってこれるぞ!ポジじゃなくてネガをみればいいのか!ここは定規を使えばいいのか!等々発見があるはずです。

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シャルル・バルグのドローイングコース 協力:ジャン=レオン・ジェローム

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